こんにちは理学療法士兼鍼灸師のyasです
このブログは理学療法士向けに発信しているのですが
今回は理学療法士になりたいという方へ向けに発信します
理学療法士の仕事って、どんなイメージでしょう?
- 自分が怪我をしたとき関わった
- 身内が病気になったときにお見舞いで見た
- スポーツ現場で指導を受けた
このような機会で知ることとなります。
「病院で働くなんてカッコいい」
「医者になることは難しいだろうけど、この仕事なら今からでもなれそう」
そんな風に思いませんか
今回はそんな理学療法士へ転職したいといった方に向けて、転職前の事前情報としてお伝えします
私も社会人経験を経てから理学療法士になったので、期待と実情をよく知っています
また、学校は夜間部で社会人が多かったので、私より年齢が高かった世代についてもお伝えします
今回の記事を読んで
30代でも理学療法士になれるかな?
周囲の人が転職で理学療法士になりたいと言っているけど実際の情報が知りたい
そんな問題を解消できるかと思います
結論:30代でも理学療法士には成れる。就職先も十分にあり、リストラなどはない傾向だが、給与は一般レベルで上がらないし、体力仕事であることが多い。金銭的な問題もあるが家族の協力が不可欠であり、就職後の動き方を考えておく
先に大事なことをお伝えしておくと
理学療法士の学校選びはまず教育訓練給付制度が受けられるかどうかを検討しましょう
総額160万近くが支給される制度であります
くわしくはこちらの記事から
理学療法士以外にも素敵な仕事はたくさんあります
医療事務系や機器の営業も縁の下の力持ちですし、一般的な勉強であればトレーナーの方がなりたい像に近いかもしれません
幅広く、理学療法士に近い仕事を探しているのであれば、一度転職エージェントに相談してみましょう
幅広く仕事を探すなら一度リクルートエージェントでお話をしてみることをお勧めします
理学療法士以外の選択肢も持っておくと見方が変わってきます
理学療法士の仕事は大体の人ができる体力仕事
理学療法士の仕事は患者さんのリハビリテーションですが、中身はほとんど運動です
イメージとしては外来クリニック、デイサービス、接骨院がされている仕事のイメージが近いです
頭を使いながら身体を使う仕事です
対象は主に高齢者です
小児やスポーツ外傷などは、かなり就職先として限られています
リハビリテーション以外にはPCを使った報告書やカルテ作成、家族・担当者のカンファレンスやミーティングなどがあります
はっきり言って、業務的には単純です
仕事の難易度としては、大体の人はできます
一定のレベルを超えるとリハビリテーションの技術や知識が問われますが、60点までは誰でも到達可能な業務内容です
誰でもある程度できる理由は
一定のレベルまでは患者さんの回復には練習量を多く提供する必要があります
要は動けない人(メインの高齢者)を介助するマンパワーが必要ということです
つまり、理学療法士の仕事が【知識・技術<体力】な仕事ということになります
もちろん、病気の知識などを踏まえた上での介入となりますが、病院によってある程度どういった患者さんが来るか決まるので、徐々にわかってきます
理学療法士は基本的動作能力の向上を目指す職種なので立ったり、座ったり、歩いたりをしてもらいますが、入院患者さんや施設入所者の場合はほとんどできない方もいます
そういった患者さんに介助しながら運動をしてもらうので、腰痛を起こしやすいです
訪問リハビリテーションなどでも屋外の移動は体力を使います
転職してみて、想像していたより身体がしんどいということはよく聞く話しです
理学療法士の給与は横這いだが就職難はまずない
次に理学療法士の給与です
R4職種年齢(賃金構造基本統計調査)によれば
平均給与は33万、賞与が97万で年収493万円です
これは正直、本当!?と疑いました
私が病院での正社員時代では
実際の30代の給与、転職活動で転職先の給与を聞いても400万~420万くらいが年収です
この額に到達する人は
- インセンティブという歩合制みたいな制度で働く
- 一般企業へ転職
- 上位の管理職
- 公務員
※公務員の給与については総務省が出している【第5表 職種別職員の平均給与額】の薬剤師・医療技術職欄を参考にしてください
これらのような理学療法士が平均を押し上げている可能性が非常に高く、
大多数の理学療法士はこのような年収493万もありません
あまり高すぎる望みをすると実際の求人を見て、驚きます
本当かなと思った方は転職サイトで見てください
50代で理学療法士を目指したが退学したAさん
ここからは実際に私がお会いした方を実例に参考にして頂きます
Aさんは50代で私と同じ夜間部に入学されました
公務員から一転、一念奮起しての理学療法士の道を目指すという方でした
志は素晴らしいのですが、結論から言うと、理学療法士になれず退学されました
高齢での理学療法士への道は困難な状況がいくつかあります
学業についていけない
理学療法士の学校は進学テストが前期・後期とあり、落とすと留年します
学校にもよりますが、留年を繰り返すと自動的に退学もあります
学業のレベルは偏差値50くらいでしょうか
しっかり勉強すれば通りますが、年齢を重ねるとどうしても新しいことを覚えるには限界があります
これまでの仕事に近しい分野ならともかく、未知の領域となると本人の努力はそれなりに必要です
この学業でつまづいて退学される人、国家試験に合格できない人は毎年います
金銭的についていけない
学費だけに注目しがちですが、それ以外の生活費、交通費や参考書など別途購入するものもあります
また遠方の実習ではそれなりにお金がかかることもあります
決して高額ではありませんが、思っていたよりもお金がかかる覚悟が必要です(生活費を除くと毎年10万は必要でした)
学費では4年制大学で600万、3年制専門学校で400万程度ですが、専門学校も4年制が多くなっており、費用が高くなる傾向にあります
高齢で単身、お金に余裕があるという方はそれほど多い訳ではありません
家族にも負担を強いる可能性があり、家族関係が悪化して辞めるケースもあります
実習についていけない
理学療法士養成学校のカリキュラムに臨床現場での実習が複数回あります
この実習が毎年学生泣かせで、病んで辞める人や落ちる人がいます
学生には、現場のアドバイザーがつくことになるのですが、年上学生と年下アドバイザーの組み合わせはやりにくいです
若い人の感覚に合わせるのが苦痛であったり、柔軟な思考を行うことが難しいことがあります
そこで実習先から不合格をもらうということがあります
現在は実習先に合否の権限はないのですが、それでも大きなストレスに諦めたり、落ちる結果に繋がることが結構あります
3点お伝えしましたが全体を通して50代の方に一番大きな障壁は学業を新しく始めるということです
20~30代で理学療法士に転職した人達は安定している
20~30代での転職した人達は周りでもたくさんいます
就職先としては
病院、介護施設、クリニックなど様々です
年齢で就職が難しかったということは聞きません
むしろ社会人経験者として、一通りの社会通念がわかる人を新卒扱いで採用できるので求人側としては悪くない人員補強だと思います
そして数年して昇進、訪問看護のエリアマネージャー、パーソナルトレーナーなどに変わった人もいます
30代から転職した人は上昇志向が強いイメージがあります
また、就職する前から既に就職先候補地で働いていて、さらに条件をアップさせて雇用されているケースがいくつかあります
20~30代で理学療法士になるポイント
先ほどお伝えしましたが、20~30代で理学療法士になる場合は以下に問題がないか確認してみましょう
1.学業についていけるか
養成校の授業はハッキリ言って国家試験対策です。国家試験が通れるくらいの学業が自分にできるか思い浮かべて下さい
偏差値50くらいは最低限必要です。また国家試験対策では半年間毎日10時間勉強できる体力と精神力が必要です
2.金銭・家族理解に問題はないか
学費が高額とお伝えしましたが、奨学金を第2種で12万円もらえれば、学費分は問題ないでしょう
問題は普段の生活費です
子どもを扶養している場合はさらに問題です
伴侶の協力は必須ですし、間違いなく働く必要があります
働きながら、家事をしながらの勉学はかなり大変で、家族の協力が必要です
この理解を得られないと学業も生活も崩れてしまうので、事前のシュミレーションは確実にしましょう
3.就職先を確保しておく
就職先は十分にありますが、可能な限り好条件で働きたいですよね
一例ですが介護職として正社員として勤務しながら夜間部に通う
合格したら理学療法士として勤務するというパターンもあります
数年勤務することを条件に奨学金として一部援助してもらえないか打診するのも良いと思います
社会人ということを活用して高校からの卒業生とは違う立ち回りを行うことが賢い動き方だと思います
ネガティブな情報として2026年問題というものもあります
これは2026年には理学療法士の数が需要より供給が上回るとの試算です
ですが、これをを気にして諦めるようでしたら転職はしない方がいいです
賃金は元々、減少傾向でしたし、就職難・国家試験が難しくなるなどのネガティブな情報なんてこれまでたくさんありました
現在は一般職へ転職する理学療法士も多く、これから多様な働き方にシフトしていくと思います
需要を求めて転職するのであればIT系に行く方が賢明ですが、理学療法士を目指すなら目指す理由があるはずです
現在よりも収入を増やす目的で理学療法士に転職したいと思っているのであれば、一度立ち止まって下さい
まとめ
今回30代から理学療法士へ転職を検討される方へ記事を書きました
理学療法士の仕事は体力仕事が主なので、体力に自信がない方は就職先選びに気を付けてください
体力に自信がない方は腰痛にならない為に患者さんが立てるくらいのレベルの人が多いところを選びましょう
給与水準は一般レベルで、就職先は現状あります。しかし今後給与が上がる可能性はまずありません
理学療法士の転職で挫折された方は
勉学がついていけず落第した、金銭的に苦しい、実習でついていけない方がいました
上手く転職・就職された方は
在学中に就職先で働いていたり、将来的なキャリアプランを考えていたように思えます
そこで転職を検討される方へのポイントとして
- 偏差値50程度の学習能力はあるか
- 金銭・家族の協力に問題はないか
- 就職先に対しては奨学金やキャリアプランを描いておく
以上をお伝えしました
結論:30代でも理学療法士には成れる。就職先も十分にあり、リストラなどはない傾向だが、給与は一般レベルで上がらないし、体力仕事であることが多い。金銭的な問題もあるが家族の協力が不可欠であり、就職後の動き方を考えておく
成りたい職業になるのは一度きりの人生ですし、後悔のないようにしたいものですね
ですが、成れるかどうかはご自身の状況・状態にもよりますので
冷静に考えてもらえればと思います
学校へ入学してから「理学療法士の学校に入って後悔した」という人を何人か見ましたが
大体の人が「お金が思っていたよりも稼げない」と口を揃えていました
お金がたくさん稼げると思っている人は一度立ち止まって情報収集してください
皆様の活動を応援しています